FILM

アネミック・シネマ/マルセル・デュシャン 1926年

ルネ・クレールの「幕間」にも登場している、レディ・メイドで有名な現代美術の先駆者とも言えるマルセル・デュシャンも自ら映画を制作している。そのひとつが1926年制作の、ダダとも、シュルレアリスムとも評される、一風変わった実験映画の「アネミック・シネマ」。自ら開発した回転する円盤の工学的玩具「ロトレリーフ」を用いた映像は、メリエスによって得られた物語性やシーンという概念を再び彼方へと葬り去る。因にアネミック(anémic)は、シネマ(cinéma)のアナグラムであるが、「貧血の」を意味する「Anémique」と同じ発音となるため、日本では「貧血映画」と翻訳されたこともある。

解説:駒鳥文庫店主